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2023.10.02 ICT教育

ICT教育の課題を解決するために|教師が直面するICT教育の課題点

文部科学省を筆頭に、ICT教育の推進が始まっています。教育の質向上、デジタルリテラシーの育成、生徒たちの考える力や解決する力が養われるICT教育ですが、教育現場では解決しなければならない課題があるのも事実です。

今回は、教育現場で活躍する教師が直面するICT教育の課題点とその解決策をお届けします。

ICT教育の弊害を感じている教員並びに、教育業界の関係者に向けた記事です。

ICT教育とは?その目的について

ICT教育は、情報通信技術(ICT)を活用して教育を行う方法です。

その目的は、生徒の情報リテラシーを向上させ、現代社会で必要な情報収集スキルや学問に対しての知識力や興味関心意欲を高めることです。

情報通信技術(ICT)とは、情報処理、データ通信、コンピュータ技術などを組み合わせた技術の総称です。情報の収集、処理、伝達、保管など、情報に関連するあらゆる側面に関わる技術を含みます。

これらの情報通信技術(ICT)が搭載されたパソコンやスマートフォン、タブレット端末、電子黒板などのICT機器を教育現場に導入することで、教育の質向上を図ります。

 

文部科学省によるICT教育の現状の課題

文部科学省によるICT(情報通信技術)教育の現状の課題は、日本の教育システムにおいてICT機器の適切な導入と活用に関する側面で存在しています。

技術スキルと知識の不足の問題では、教師のICT機器を適切に活用するための技術スキルや知識が不足してます。

教師がICT機器の使い方を理解できず、使用を避けてしまうため、生徒によるICT機器を活用した課題の取り組みや学内活動の機会がなかなか増えない傾向にあるようです。

また、一部の学校や地域では、適切なインターネット環境が整備されていないため、ICT教育を正しく導入できていない地域も存在します。

文部科学省|学校教育情報化の現状について

 

日本はICT教育が遅れている?

日本のICT教育は、他国に比べて遅れているといわれています。

『OECD 生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)』にて、日本は数学的リテラシーと科学的リテラシーでは上位を獲得できているものの、読解力においては順位を上げることができませんでした。

この問題は、日本がICT教育が遅れているとされる要因のひとつです。

ICT教育では、生徒自身で考え正解を導き出す問題解決能力が養われます。

ある問題に対して、正しい解釈で自分の意見を出し、意見に対してどのような議論の余地があるのか、適切に問題を解決するためにはどのような情報や取り組みが必要なのか検討することは、問題の本質を捉える読解力が必要不可欠です。

したがって、ICT教育は読解力も養われるため、諸外国と比較するとICT教育が遅れているのでは…と、警鐘を鳴らす人がいるのも納得でしょう。

文部科学省・国立教育政策研究所|OECD 生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)のポイント

 

教師が直面するICT教育の課題と解決策

教師が直面するICT教育の課題と解決策は下記の4つです。

  • ICT機器を使いこなせない
  • 生徒への機器利用にあたっての指導不足
  • ICT機器のハード面
  • 紙面の資料との併用

 

ICT機器を使いこなせない

多くの教師が、新たなICT機器やソフトウェアの使用に不慣れであるため、授業に取り入れる際に課題が生じています。

解決策としては、教師向けの研修やサポートを充実させ、技術スキルの向上を図ることが重要です。

文部科学省では、ICT活用教育アドバイザー事業を推進しており、教育現場にICT機器の取り扱いに知見の深いアドバイザーを派遣することで、教師のICT機器への苦手意識を取り去り、ICT教育のさらなる推進を図っています。

文部科学省|ICT活用教育アドバイザー事業

 

生徒への機器利用にあたっての指導不足

生徒へのICT機器の適切な活用方法に関する指導が不足していることも課題です。

教師は生徒に対して、デジタルリテラシーを養成する役割を果たす必要があります。指導計画や教材の開発に工夫を凝らすことが求められます。

ICT教育が進まない背景として、教師によるICT機器への苦手意識が存在します。教師に対してICT機器を上手に活用できる方法をICT活用アドバイザーが適切に伝授することで、結果的に生徒にも正しいICT機器の使い方が伝わるでしょう。

 

ICT機器のハード面

ICT機器の導入には費用や保守の課題もあります。

学校は適切なICT機器を選定し、維持管理に充分なリソースを割り当てる必要があります。また、古い機器の更新や故障時の迅速な対応も大切です。

文部科学省では、ICT機器を適切に取り入れるための予算を組んでいます。

ただし、タブレット端末機器だけが導入されて、本体機器を衝撃から守るカバーなどは導入されず、機器が破損しやすいなどの現場の声も少なくありません。

文部科学省|【事務連絡】令和2年度第3次補正予算案への対応について

 

紙面の資料との併用

ICT教育の導入に際して、紙面の教材との調和が必要です。生徒にとって適切なバランスでデジタルとアナログの資料を活用する方法を考えることが重要です。

デジタル化されていない資料や、デジタル依存を避けるために紙面から情報を取捨選択することも時には必要です。

しかし一方で、ICT機器を用いてテストを行う際、一斉に生徒がサーバーに入ることで、教育現場のサーバーが耐え切れず、テストにならないなどの声もあるため、紙によるテストを行っている学校も少なくありません。

効率化できる場面で適切にICT機器が導入できていないことは問題です。

公益財団法人 文字・活字文化推進機構|いま、なぜ「紙」の教科書なのか

ICT教育の課題を解決するために学校が行えること

ICT教育の課題を解決するために学校が行えることは以下の3つです。

  • 適切なICT機器の導入
  • ICT機器への正しい理解を進める
  • ICT教育を適切に受けられる環境づくり

適切なICT機器の導入

学校は教育目的に合ったICT機器の選定と導入を検討すべきです。性能や耐久性、予算に合致した選択が課題解決に寄与します。

 

ICT機器への正しい理解を進める

教師に向けたICT機器の正しい理解とスキル向上を促進するために、研修プログラムや情報提供を行うことが必要です。

これらは先述した通り、ICT活用アドバイザーのお陰で正しい理解が進むでしょう。

文部科学省|地方自治体の教育の情報化推進事例―ICT活用教育アドバイザー派遣―(1)

 

ICT教育を適切に受けられる環境づくり

学校内でのICT教育を支援するために、適切なネットワーク設備やセキュリティ対策を整備し、生徒が安心して学習できる環境を整えるべきです。

ICT教育を推進するうえでおすすめのICT機器3選

ICT教育を推進するうえでおすすめのICT機器を3つ紹介します。

  • ミライタッチ
  • Evolve2 65
  • 液晶モニター付生物顕微鏡

 

ミライタッチ

ミライタッチを使って生徒に授業をしている様子

画像引用元:ミライタッチ

ミライタッチは、デジタルボードで、生徒と教師、生徒同士のコミュニケーションを活発化させます。

直感的な操作性で、健常者や障がい者、IT機器の操作が苦手な方など関係なく、誰でも簡単に使いやすい電子黒板です。

電源を繋ぐだけで使用できるため、複雑な配線が一切必要ありません。そのため、機械が苦手な教育現場の方からも愛用されています。


ミライタッチの詳細は「
【公式】ミライタッチ | インクルーシブ電子黒板からご確認ください。

 

Evolve2 65

高性能なワイヤレスヘッドセット Evolve2 65

画像引用元:Jabra Evolve2 65

高性能なワイヤレスヘッドセットです。

ノイズキャンセリング機能や快適な装着感、長いバッテリー寿命など、オンライン授業にて生徒と教師のコミュニケーションをサポートするために便利な機能を備えています。

Evolve2 65の詳細は「Jabra Evolve2 65」からご確認ください。

液晶モニター付生物顕微鏡

液晶モニター付生物顕微鏡

画像引用元:ICT教育機器|株式会社ヤガミ

大型デジタルテレビへの出力も可能なデジタル顕微鏡です。

デジタルカメラが搭載されているため、撮影した静止画・動画は本体に差し込まれたSDカード(4GB付属)に保存できます。

保存したデータは、付属のUSBケーブルでパソコンに取り込むこともでき、教材の作成に活用できます。

液晶モニター付生物顕微鏡の詳細は「ICT教育機器|株式会社ヤガミ」からご確認ください。

ICT教育を導入している学校の事例

ICT教育を導入している学校の事例をご紹介します。

  • 浜松市立豊岡小学校
  • 岐阜県岐阜市立長森南中学校
  • 京都府立乙訓高等学校

 

小学校

浜松市立豊岡小学校では、国語の授業で「物語をつくろう」という課題のもと、パソコンとパソコン教材を導入しました。

生徒が考えた物語を生徒自身の声で録音し、物語のストーリーに関わる内容の写真を撮影、録音・撮影データをパソコンに取り込んで編集、完成した作品を視聴することで、表現力が養われました。

生徒たちの表現力や、物語構成力も向上した授業になったようです。

文部科学省|浜松市立豊岡小学校

 

中学校

岐阜県岐阜市立長森南中学校では、保健体育の授業で「武道(剣道)」を行う際、録画再生装置を導入しました。

生徒が行う剣道の動きを撮影することで、生徒自身がどのように動いたのかを後からチェックできるため、誤った動き方の改善ができ、正しく基本動作を行えるようになったようです。

文部科学省|岐阜県岐阜市立長森南中学

 

高校

京都府立乙訓高等学校では、数学の授業で「図形と計量」を学ぶ中、電子黒板とパソコン教材を導入しました。

電子黒板に校舎を映し出し、三角比の図形を重ね合わせ、校舎の高さを求めることができました。

ただ公式を解くよりも、実際に存在する校舎を計測するために三角比を活用する実践的な授業ができたため、生徒の記憶に残る内容になったようです。

文部科学省|京都府立乙訓高等学校

まとめ

ICT教育は未来の教育において不可欠な要素であり、その導入には課題が伴います。

しかし、適切な機器の導入、教師と生徒への支援、適切な環境整備など、課題を克服するための方法で課題は解決可能です。

これらの取り組みを通じて、ICT教育の質を向上させ、生徒の未来の成功に貢献していきましょう。

この記事の著者

ミライタッチ編集部

ミライタッチ編集部

ミライタッチは、1931年創業の“社会貢献事業”会社であるさつき株式会社が開発。皆の夢を叶えて、豊かな未来の創造のお手伝いをすることが、私たちの使命です。コラムでは、電子黒板に関する情報や、教育現場で働く方々に向けた情報発信を行なっています。