お問い合わせ

資料ダウンロード

2023.03.14 ICT教育

GIGAスクール構想とは?目的や効果を解説

教育現場に従事されている方であれば、GIGAスクールという言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。ただ、実際にどんな内容なのか詳しく理解できていない方も多いと思います。
この記事では、GIGAスクール構想の概要、目的、効果について解説します。

GIGAスクール構想の概要

“ギガ”というと、パソコンやスマホに保存できる容量やデータ通信量の“ギガ”を想像する方が多いのではないでしょうか。GIGAスクールの“ギガ”はGlobal and Innovation Gateway for Allの頭文字をとったもので、「1人ひとりに革新的な教育をもたらす」という意味が込められています。今の教育現場では、多くの人が同じ授業を一斉に受けることが多いはずです。しかしこの先、変化の激しい時代を生き抜くためには、一人ひとりにあった創造力を促す授業を作ることが重要です。多様な子ども達を誰一人として取り残すことのないよう、従来の一斉教育以外に個々に最適化された創造性を育む教育を実現して、ICT教育で次世代の人材を育てる必要があります。これらを持続的に実現させる構想が、GIGAスクール構想です。

GIGAスクール構想の目的

GIGAスクール構想の目的としてはどんなものがあるのでしょうか。
それは日本の教育のスタイルを見ていくと非常によくわかります。先生が黒板に文字を書きながら、生徒たちは教科書やノートを使って授業を受ける。日本では長い歴史にわたってこのような学習法が主流となっています。一方で諸外国の教育スタイルはどうでしょうか。
例えば、アメリカでは教育分野においてもICT化が進んでおり、生徒自身のスマートフォンやiPadの使用を許可する体制をとっています。イギリスでは電子黒板を活用した教育が実施されており、導入率は小・中学校ともに日本と比較しても高い数字となっています。
日本は世界的に見てもITを活用した教育が大きく遅れをとっており、先生が言ったことを生徒全員がただ聞くだけの詰め込み型の教育になっているのが現状です。
そのため、それを解消していくために最新の技術などを使って、教育の革新を行っていくことが目標として定められています。そこがGIGAスクール構想の大きな目的の1つです。

どんな効果がある?

では、実際にGIGAスクール構想を行っていくとどんな良さがあるのでしょうか。先生と生徒のどちらにとっても、非常に大きなメリットがありますので、やらない手はないといえるでしょう。それでは解説していきます。

 

学びの最適化

たとえば、これまでは全員が同じ教材を使って授業をしていたケースが当たり前でした。ただ、勉強が得意な子もいれば、そうでない子もいます。すべての子が一律に同じ教材を使っているようでは、個別最適な学びを受けることはできません。そこでICTを活用すれば、生徒の理解状況や能力、適性に合わせ、学習内容や学習レベルを調整し、一人ひとりにあった適切な学びの機会を提供することができます。勉強に対するモチベーションを大きく高めていくことができるでしょう。また、クラスの中で発言をするのが得意な子もいるかもしれませんが、中にはシャイで人前で手を上げるのが苦手な子もいるでしょう。そういった子もタブレット端末を使っていくことで気軽に意見を発信することができるようになります。

 

教員の働き方改革

教員の仕事は非常に事務仕事が多いです。最近は「教員が非常にブラック」だと聞く人も多いのではないでしょうか。ただ、ICTを活用していくことで、これらの忙しさを解消していくことにも繋がってきます。テストをIT機器で行い自動採点をすれば教員の労力は減ります。朝の健康チェックを保護者にITツールで入力してもらえば教員がチェックしなくても済むでしょう。そんな風に、日々の仕事をかなり減らすことにつながってくるのです。
残念ながら今の教育現場では、なかなか授業の準備の時間を取れずに、自宅に帰ってからも授業の準備やテストの採点をするなど、教員の負荷が大きくかかっているのが現状です。業務効率化が進めば、しっかり授業準備もできるでしょう。

教育機関が対応すべきこと

今のままで順調にGIGAスクール構想が進んでいくわけではありません。基本的には教育機関の方も、できる範囲のことをしっかりとやりながら環境整備をしていくことが必要です。
ここからは、具体的に教育機関がしなければいけないことを説明します。

 

環境を整備して、仕様書を作成

基本的に小学校や中学校では、タブレットの配布がほとんど完了したと言われています。多くの子が1人1台の端末を持っているわけですね。ただ、問題なのが「高校生」です。高校生には端末が行き渡っていない状態なので、学校が生徒の端末を購入するのか、生徒が持参するのかなど、方針を含めて早急に決める必要があります。学校の教育方針や予算などに合わせて最適な端末を選択し、仕様書を作成していく必要があります。また、生徒に限らず、先生用の端末も併せて整備が必要です。

 

ネットワーク環境を整える

授業をする際には、何十人もの生徒が一斉にネットワークへ接続するため、安定した高速ネットワーク環境の整備が必要となります。そうなった際に、ネットワークが弱いと、通信が途切れ、動画コンテンツを見られない・デジタル教科書が開けないなど、授業に支障をきたすことも考えられます。快適に授業を進めていく上で、安定したネットワーク環境を整備することが重要です。

 

学習ツールなどをクラウド化する

学習ツールをクラウド化するのも大切です。テストや宿題などをクラウド上で管理すれば先生や生徒が簡単にアクセスすることができるので、効率化ができるようになります。もちろん生徒に関するメリットも非常に大きいですが、多忙化を解消するために、先生にとってもメリットが多くなるのが特徴です。

 

指導体制を見直す

GIGAスクール構想により、タブレットの配布・ネットワークの整備など、大きく学習環境が変わりました。AIやIoTなどを積極的に使用する新たな時代を生きていく子どもたちに必要なのは、従来の知識を詰め込むだけの教育ではなく、創造性や論理的思考力を養う教育です。指導する先生方のICTリテラシー向上はもちろんですが、自治体・学校単位で体制を整備していくことが重要になります。

まとめ

GIGAスクール構想については、内容的にはかなり奥が深いですが、これから確実に進めていかなければいけないところになります。導入などは非常に時間がかかりますし、難しい部分でもあるでしょう。
しかし、これからの社会を生きる子どもたちにとって、ICTなどの先端技術を活用して、創造性や思考力を育む教育は必要不可欠です。

ミライタッチはタブレットや授業支援ソフトと連携し、子どもたちのミライに繋がる環境づくりに貢献していきたいと考えています。

この記事の著者

ミライタッチ編集部

ミライタッチ編集部

ミライタッチは、1931年創業の“社会貢献事業”会社であるさつき株式会社が開発。皆の夢を叶えて、豊かな未来の創造のお手伝いをすることが、私たちの使命です。コラムでは、電子黒板に関する情報や、教育現場で働く方々に向けた情報発信を行なっています。