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2023.02.01 電子黒板

電子黒板ってなに?電子黒板でできることやメリット・デメリットを解説!

2019年末、文部科学省は義務教育において児童や生徒の個性を尊重した教育を実現するためのGIGAスクール構想を打ち出しました。

GIGAスクール構想とは、「変化の激しい時代を生き抜くために従来の一斉教育だけではなく、多様な子どもたちを誰一人取り残すことのない個別最適化された創造性を育む教育を、全国の学校現場で持続的に実現させる構想」のことです。

これを実現させるためには、教育におけるICTを基盤とした先端技術の活用が重要となります。
学校側では生徒達がデジタル教材とタブレット端末を使用して授業が受けられるよう、校内の高速ネットワーク環境や機材の整備を進めていく必要があります。

そこでタブレット端末と併せて導入が推進されているのが「電子黒板」です。
2018年度のデータによると電子黒板の普及率は26.8%といわれており、まだ従来の黒板と電子黒板の違いについて認識不足の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、電子黒板のできることやメリット・デメリットをご紹介します。電子黒板の導入を検討している方やICT環境の整備に関心がある方はぜひご一読ください。

電子黒板とは

電子黒板とは、従来黒板に書いているような文字や図形などを電子的に変換し、投影することができるホワイトボードのことです。「インタラクティブホワイトボード」とも呼ばれています。
電子黒板を活用することで、生徒に対しては視覚的に理解を深めやすく授業の活発化が見込め、教員に対しても板書業務の効率化や負担の軽減につながるなど多くのメリットがあります。

電子黒板の主な機能

電子黒板には、主に3つの機能があります。

 

1.画像や動画の表示

例えば、パソコンの画面に表示した写真や資料などをそのまま映し出すことができます。もちろん拡大や縮小もその場で簡単に行うことができます。

 

2.書き込み

専用ペンや指を使用して自由に文字や図形の書き込み、マーカーでの色付け、削除ができます。写真や教材の上に書き込むことができるので、視覚的にわかりやすい授業が可能になります。

 

3.保存

例えば電子黒板上に書き込んだ板書内容や生徒が書き込んだ回答をデータとして保存しておき、後々の指導や学習内容に反映することができます。
その他にも前回の保存までの内容を呼び戻して続きから授業を始めることができたり、PDFや画像ファイルとしてデータを書き出して利用することも可能です。スムーズな授業の進行に役立つ機能が豊富に揃っています。

電子黒板の種類とその特長

電子黒板の種類は「ディスプレイ型」「プロジェクター型」「ユニット型」の大きく3つがあります。

 

1.ディスプレイ型

スマートフォンやタブレットが大きくなったようなイメージで、見た目はテレビに似ています。普段使用しているデジタルデバイスとの共通点が多いことから比較的受け入れやすいタイプとなっています。また、AndroidOSが内蔵されている機器が多いのでブラウザや授業支援ソフト等も利用できます。

映像の拡大や縮小をしても画質を美しいまま維持できるメリットもありますが、既存の黒板とは別でディスプレイとスタンドのセット導入となるので、比較的大きなスペースを必要とする点がデメリットとして挙げられます。

 

2.プロジェクター型

既存の黒板や壁、スクリーンへの投影を行うタイプです。天井や任意の場所に投影機を設置して映し出すので、基本的にはプロジェクターと同様の仕様です。
好きな場所に映し出すことができるので、既存の黒板の一部に投影を行い、空いてる場所では従来のようにチョークを使った板書業務も併用して進められるなど特有の活用方法があります。

ただし、単焦点型は持ち運びが可能ですが天吊りにする場合は別途工事が必要となります。
ディスプレイと比べて映り方が暗くなるため、使用時にはカーテンを閉めたり、将来的にはレンズの交換が必要になるなど細かな手間が発生する可能性もあります。

 

3.ユニット型

既存の液晶テレビやプロジェクターをタッチパネルとして使用できるタイプです。
既存の設備を活かせる、省スペースでの導入が可能など、その手軽さから注目を集めています。
仕組みを簡単に説明すると、既存の機器をタッチパネル化するセンサーを取り付け、パソコンでセンサーからの情報を受信する仕様となっています。
システムの導入に近い作業を行うので、もともと大画面の映像機器を使用していた学校が、よりシステムを充実させるために導入するケースも多くあります。

デメリットとしては後付けの機器になるためタッチ感度が悪い可能性があることです。書いた際の感触が黒板とは全く異なるので書き慣れなかったり、使い勝手が合わないと感じることも少なくありません。

電子黒板のメリット

電子黒板には、次のようなメリットがあります。

 

生徒の関心や意欲が高まり、双方向型の授業スタイルが可能に

従来の板書による授業スタイルは、教員が書いた内容をひたすらに生徒がノートに書き写したり、当てられた生徒が回答を書きに行くなど教員から生徒への一方向且つ受け身なものになりがちです。

しかし、電子黒板を使用し生徒一人ひとりにデジタルデバイスを配布・連携を行えば、双方向型の授業スタイルを実施することが可能になるのです。
例えば、生徒が自分のデバイスに記入した内容を電子黒板を通すことでクラス全体に発表することが簡単になります。
自分の思考や意見を共有する場が増えることで黙々と板書を書き写すよりも活発な授業展開が望め、生徒は授業に積極的に取り組みやすくなるでしょう。

 

視覚的にわかりやすい授業ができる

例えば、生徒の視力が悪い場合や教員の書く文字が小さい場合、その文字の読み取り段階で不要な負担や問題が生じます。
そうなると生徒は板書をノートに書き写す作業に気をとられ、大事な授業内容へ理解が追いつかなくなってしまいます。また教員側でも文字や簡単なイラストだけではニュアンスがうまく伝わらないことも多く、わかりやすい伝え方に苦心するという悩みも少なくはありません。
電子黒板であれば板書を拡大表示したり、画像や動画でより詳細な情報を直接生徒に伝えることができます。画面書き込み機能も状況に応じて活用していくことでより効率的になり、従来の問題解決にもつながるでしょう。

 

保存機能の活用で授業の効率UPに繋がる

まず、電子黒板の保存機能を使用することで、生徒達にとって板書の書き写しにかかる負担を削減することができます。
これまでであれば書き写した内容に不備があると安定した授業の復習が難しかったり、生徒一人ひとりによって書き写しの内容ややり方が異なり差が出ることがありました。
電子黒板で書き込みした内容を保存しておけば、後で見返すことも簡単になることはもちろん、生徒間での書き写しの差がなくなります。
また、教員にとっても前回の保存内容からスムーズに授業を進められることができたり、参考資料の作成に対する作業時間の軽減に繋がるため多くのメリットを感じやすいでしょう。

電子黒板のデメリット

電子黒板のデメリットとして、次のようなことが挙げられます。

 

機器に対する苦手意識、トラブルへの不安

ITが進歩してきてはいますが、現代においてはIT機器への知識や関心が深い教員ばかりではありません。機器への苦手意識がもともとある場合には、「電子黒板のようなものは自分には使いこなせない」、「パソコンがフリーズしたら再起動に時間がかかるし対応できない」などの不安や意識が生まれがちです。
他にも「児童が壊してケガをさせてしまうかもしれない」、「何かあった時に授業の流れが止まってしまう……」など、既存の黒板での板書授業であれば起こりえない突発的なトラブルが起こる可能性があることがデメリットとして挙げられます。

 

設置スペースの確保

教室には教卓やタブレット保管庫など様々なものがあり、電子黒板を設置するスペースがなかなか確保できないこともあります。設置の際には事前に教室内のレイアウト変更や工夫をすることが必要となります。

 

導入コスト

電子黒板の導入には多くの費用がかかります。製品によって価格は異なりますが、生徒一人ひとりに対してデジタルデバイスを用意・配布したり、必要な高速ネットワーク環境を整えたりと様々な面からコストがかさむ傾向にあります。

まとめ

この記事では電子黒板のできることやメリット・デメリットをご紹介しました。
電子黒板はまだあまり馴染のない機器ではありますが、GIGAスクール構想の実現に欠かせない要素です。
文部科学省も積極的に導入を推進しているため、今後導入を実施していく学校は増加していくでしょう。
従来の黒板では難しかった様々な機能を活用して、より効率的に積極的な授業スタイルを整えることができます。
少しでも電子黒板の導入を検討されている方は、お悩みやご質問でも構いませんのでお気軽にご相談ください。

この記事の著者

ミライタッチ編集部

ミライタッチ編集部

ミライタッチは、1931年創業の“社会貢献事業”会社であるさつき株式会社が開発。皆の夢を叶えて、豊かな未来の創造のお手伝いをすることが、私たちの使命です。コラムでは、電子黒板に関する情報や、教育現場で働く方々に向けた情報発信を行なっています。