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2025.06.23 セミナー

【EDIX東京2025 講演レポート/尼崎市教育委員会】 「ただ聞くだけ」の授業から「自ら学ぼうとする」授業へ。ICTが生んだ、子どもたちの学びの進化

さつき株式会社は、2025年4月23日(水)〜25日(金)に開催された「第15回EDIX(教育総合展)東京」に出展いたしました。

EDIX(教育総合展)とは、小学校、中学・高等学校、大学、専門学校、教育委員会、地方自治体、塾・予備校などの教育関係者が多数来場する、日本最大級の教育分野の総合展示会です。

当社では、「ミライタッチ」の機能や現場での活用方法などを担当者が実演デモを交えて詳しくご紹介したほか、自治体・学校の現場の先生方による特別セミナーも開催されました。

今回の記事では、登壇された尼崎市教育委員会 中村大輔氏による講演「NEXT GIGAスクール構想〜尼崎市の未来の学びの実現に向けて〜」を振り返ります。

 

【登壇者プロフィール】

尼崎市教育委員会 教育総合センター 学び支援課 指導主事

中村 大輔

尼崎市立小園小学校、尼崎市立園田東小学校にて教諭を経験した後、令和4年度より文部科学省 GIGA StuDX推進チームにてGIGAスクール構想の実務に携わる。令和6年度より尼崎市教育委員会に配属。学校ICT推進課の指導主事を経て、現在は学び支援課にて教員の研修業務や学校ICTの推進業務に従事。

市立小学校に、合計1006台の「ミライタッチ」を導入

尼崎市は人口約45万人を擁する中核市で、近年はベッドタウンとして人気を博している地域。市内には合計71の学校・幼稚園があり、約3万人の子どもが教育を受けています。中村氏は講演冒頭で、各校が現在どのようなデジタル環境に置かれているかを紹介しました。

中村:

尼崎市では、小学校・中学校の生徒一人ひとりにChromebookを配布しています。PCとしてもタブレットとしても使用できる、360度回転するアウトカメラ付きのデバイスです。高校に関しては原則保護者購入としており、ChromebookやWindows、iPadなどが使用されています。また特別支援学校では長年iPadを利用しています。ソフトに関しては、子どもたちの学習にはGoogle Workspace for Educationやロイロノートなどを使っております。

そして大型提示装置として愛用させてもらっているのが、さつき株式会社の電子黒板「ミライタッチ」です。各小学校の普通教室、特別支援学級の教室、音楽室、図工室、理科室、外国語教室…など、日々授業が行われる場所に設置しています。2023年の8月に初めて導入したのですが、年々台数が増えており、現時点での導入数は合計1006台に上ります。今年度は特別支援学級が増えていることもあり、さらに追加で17台ほど導入する予定ですね。

子どもの主体性を育む、聴覚も視覚も刺激する授業が行えるように

中村氏は、デジタル端末を活用している授業風景について紹介した後、「ミライタッチ」の導入経緯や導入後の感想について語りました。

中村:

尼崎市では、「ミライタッチ」を導入する以前は50型のテレビを大型提示装置として利用していました。しかしそれでは画面が小さく、やはり後ろの席からだと見えづらかったんですね。その点「ミライタッチ」は画面が大きく鮮明で、後方からでもとても見やすいです。

また、テレビは単にChromebookの画面を大きく映すだけの機械ですので、結局は「教師が話していることを必死に聞いて理解する」という、子どもたちの聴覚に訴える一方的な授業しかできていませんでした。一方「ミライタッチ」はChromebook同様に使えるOS搭載のデバイスですから、聴覚だけでなく視覚もたくさん刺激する授業ができます。その結果、「子どもたちが主体的な意見を発する場面がかなり多く見られるようになった」と、多くの先生方からの嬉しい声が届くようになりました。

「ミライタッチ」は、使い勝手の良さも大きな魅力です。各校の先生方にアンケートをとったところ、「個人のChromebookを持ち運ばなくても、ミライタッチに自分のアカウントでログインすれば同じように使えるのがとても便利」「テレビを使っていた頃は書画カメラの配線やセッティングにかなりの時間を要していたが、ミライタッチにはカメラが内臓されていてすぐ使えるので、かなり準備が楽になった」といったポジティブな回答が多く寄せられています。

尼崎市ではICT支援員が各校をまわり、どのようにICTが活用されているかを確認しています。今回の講演では、そんなICT支援員が記録したレポートも紹介されました。

中村:

「ミライタッチ」の活用事例は枚挙にいとまがありません。たとえば水堂小学校の報告書には、電子黒板にタイマーを表示することでタイムマネジメントがしやすくなり、発表がスムーズだったと書かれていますね。他にも、内蔵されている画書カメラの活用事例や、生徒が電子黒板を使って発表している様子など、多岐にわたる実践例が報告されています。

「未来の学び拠点校事業」でも、ミライタッチが大活躍

また、尼崎市で実施している「未来の学び拠点校事業」についても紹介されました。

中村:

未来の学び拠点校事業とは、「主体的・対話的で深い学び」を実現するため、探求的な学びや未来の学びに向けて校務改善を実践しようとする学校を研究指定校に認定し、その取り組みを兵庫教育大学と連携して支援する活動です。この活動でもICTが大いに役立っています。

たとえば、どのような授業を展開するか先生同士で話し合う場では、「ミライタッチ」と個々人のChromebookを使って意識や情報を共有しています。また実際の授業では、子どもたちがデジタルな端末とアナログな具体物を織り交ぜながら、自由に学習を楽しんでいました。作った成果物を写真に撮って全体に共有すれば、先生は誰が何をしているかもすぐ把握ができます。そこから「◎◎さんと△△さんは同じ課題に取り組んでいるから一緒にやってみて」と、新たなコミュニケーションが生まれる場面もありました。

以前には、商業・情報に特化した高校と企業がコラボして、小学生にロボットプログラミングを教える講座も実施したことがあります。このときは高校生が先生になり、「ミライタッチ」を使って授業を行っていました。

尼崎市が目指す、ICTをフル活用した“次世代の学び舎”

最後に中村氏は、尼崎市におけるICT活用状況の現状と、教育現場にICTを導入することの魅力を語りました。

中村:

昨年度に「教室にある大型提示装置をどのくらいの頻度で使っているか」というアンケートを実施したところ、なんと「ほぼ毎時間使用している」「ほぼ毎日使用している」という回答が100%を占めました。尼崎市では、今やICTは教員や生徒にとって不可欠なものになっています。

また、とある大学でも調査研究を行っていただいているのですが、その中では「電子黒板をはじめとしたICTを授業に取り入れると、子どもたちが主体的に学ぶ様子が見て取れる」という報告があり、さらに「主体的に学習している児童・生徒は、問題の正答率も高い」という結果も出ていました。

尼崎市は、今後もICTを活用して「子どもたちが自ら主体的に学習を進めていきたくなる環境」を整えていけたらと思っています。

この記事の著者

ミライタッチ編集部

ミライタッチ編集部

ミライタッチは、1931年創業の“社会貢献事業”会社であるさつき株式会社が開発。皆の夢を叶えて、豊かな未来の創造のお手伝いをすることが、私たちの使命です。コラムでは、電子黒板に関する情報や、教育現場で働く方々に向けた情報発信を行なっています。