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CASE STUDY

ChromeOS Flex を搭載した電子黒板「ミライタッチ」は、今後の教育を支える機器の1つ。子どもたちの伝える力を育む。

福岡市教育委員会/福岡市立西都北小学校

導入機器

Xシリーズ(ChromeOS Flex 搭載モデル)

お話を伺った方

福岡市教育委員会 指導部/教育ICT推進課長

永田 朗 様

福岡市立西都北小学校

6年生担任 林田先生 、外国語専科 花田先生

福岡市では Chromebook とプロジェクターを授業で使用していたが、プロジェクターはどうしても先生のPC画面を投影するだけになってしまい、画面をタッチして操作できないことが課題だった。また、黒板の半分をプロジェクターのスクリーンが占拠していることもあり、黒板を使いたい先生にとって書くスペースが以前に比べて半分になってしまっていた。
ChromeOS Flex が搭載されたミライタッチであれば、電子黒板上で Google Workspace for Education の利用ができる点が大きい。電子黒板と子どもたちが持っているタブレットをシームレスに連携し、これまで以上に授業を効率的に進められるように変化した。また、Chromebook で制作したものをミライタッチに投影することで、一人ひとりが自分の考えやアイデアを図やグラフを使って自由に発表するような授業が可能になった。
先生たちは上手にミライタッチを使いこなし、デジタル教科書を投影しては両手を使って「ぱぱっ」と画面を拡大したり、音声を流したり…とてもスムーズに授業を行なっている。子どもたちも以前と比べ授業に集中できるようになった。また、ミライタッチは移動できるため、学年集会など大人数が参加する授業を体育館で行なう際にも大活躍。いろんな教科で、奥行きのある授業が可能になった。

電子黒板『ミライタッチ』が Google の認証を取得して、業界に先駆けて ChromeOS Flex を搭載できるようになったことはご存知でしょうか。ChromeOS の使い易さはそのままに、電子黒板で Google Workspace for Education の利用が可能に。電子黒板とタブレットをよりシームレスに連携できるため、これまで以上に授業を効率的に進められます。

今回ご紹介したいのは、世界で一番最初に ChromeOS Flex 搭載の電子黒板を導入した福岡市教育委員会です。今、福岡市は全国でもトップクラスで人口が増えており、教室数を増やすために市内の多くの小学校で増改築が進められています。ICT機器の整備にも注力されており、全教室に指導者用タブレット・プロジェクター・スクリーン・無線LANを整備し、生徒に1人1台の Chromebookを貸与しています。2023年4月に開校した福岡市立西都北小学校では、新たにミライタッチが導入されました。

ミライタッチを導入した背景にはどんな理由があったのか?導入してから教育現場で変わったことは何か?福岡市教育委員会 教育ICT推進課長の永田様と、福岡市立西都北小学校でミライタッチを実際に使っている、林田先生と花田先生にお話を聞きました。

ChromeOS Flex が搭載されたことによる利点は大きい。

電子黒板の導入背景を教えてください。

福岡市教育委員会 指導部/教育ICT推進課長 永田 朗 様

福岡市教育委員会では、ICT機器を使うことで子どもたちの教育効果が高まるような環境を作っていきたい考えです。様々なICT機器を導入することで、教育現場で起こる課題の1つ1つを解決し、最終的に文部科学省が指針として出している個別最適化と協働的な学びの実現を目指しています。福岡市では Chromebook とプロジェクターを授業で使用していたのですが、プロジェクターはどうしても先生のPC画面を投影するだけになってしまうので、画面をタッチして操作できないことが課題でした。また、使用期間が数年経つと、どうしても画面が暗くなってきてしまい、電球交換の必要も出てきます。機器の管理上、その手間も悩みどころでした。さらにもう1点が多くの先生たちからも声が挙がっていたのですが、黒板の半分をプロジェクターのスクリーンが占拠していることもあり、黒板を使いたい先生にとっては、書くスペースがこれまでの半分になってしまっていたのですね。そこで目をつけたのが電子黒板の導入です。

数多くある電子黒板の中で、ミライタッチに決めた理由はなんでしょうか?

いくつか理由があるのですが、いちばんの決め手は、ChromeOS Flex が搭載されたことですね。電子黒板で Google Workspace for Education の利用が可能になったことは大きいです。電子黒板と子どもたちが持っているタブレットをシームレスに連携できるため、これまで以上に授業を効率的に進められると考えました。先生たちが教室に自身のデバイスを持っていかなくても授業ができるのは、とても大きな革命ではないでしょうか。これまでは教室に行ってから、先生たちのデバイスとプロジェクターをつなぐ作業が発生していましたが、ミライタッチであれば電子黒板に先生たち一人ひとりのログイン情報でアクセスすれば、それ自体が先生一人ひとりのデバイスと連携されますから。先生たちからは「とても便利になった」という声をいただいています。

また、書画カメラ機能が内蔵されているのも魅力でした。先生たちも授業でよく利用しているようです。Chromeflex内蔵と書画カメラ機能が1台に内蔵されていることで、配線も電源1本でいけるのも良いですね。

他の理由としては、先生たちの持っているタブレットの電池問題がありました。朝の1時間目の授業から夕方の6時間目の授業までタブレットを利用すると電池の減りが早く、充電をしながら使用しなければいけなくなっていました。そうなってしまうとタブレットの意味がなくなってしまいます。その点で考えると、ミライタッチは充電をしなくても良いので、電池の減りを気にすることがなく授業ができます。

電子黒板の導入・機器管理の点では、ミライタッチの良さはどうですか?

全国の教育委員会が悩まれると思うのですが、新しいICT機器を導入する際には、機器の運用・管理についての問題があります。機器管理者の運用が容易で、子どもたちが安全に学習できる環境を整えることが必須。その点でも、ミライタッチは苦労はしませんでした。Chromebook の導入時とあまり変わらないのがいいですね。

管理コンソールにデバイスを追加するだけで使えるので、既存のポリシーをすぐに割り当てることができます。Google Admin(管理コンソール)の構築サポートも提供されて、トラブルなどもなく既存のプラットフォームに追加できました。スムーズに導入されたので、「もう導入されたの?」という感じでしたね。ChromeOS flexの認定デバイスなので、Googleからのサポートも受けられるのは良い点だと思います。

ChromeOS Flex が搭載されたことで、ウェブベースの管理コンソールからユーザーやデバイス、授業で使用するアプリの導入と管理、端末に関する様々な制御を、管理者が一元的に行うことができます。たとえば、組織やユーザーごとに利用するアプリをプリインストールしたり、印刷制限・Webサイト閲覧可能ページ制限、といったセキュリティ・コンプライアンス観点での管理が容易に可能です。個別対応をする必要もなく、導入もスムーズに難なく使えていることは素晴らしいと思います。

持ち運び・移動できる電子黒板だから、授業の可能性も広がる。

ミライタッチを導入したことで、先生たちの授業はどんなふうに変わりましたか?

ミライタッチが導入されて数ヶ月が経ちましたが、先生たちはとても上手に使いこなしているようです。デジタル教科書を投影して、両手を使って「ぱぱっ」と画面を拡大したり、音声を流したり、とてもスムーズに授業を行っていて良いなと思いました。子どもたちも画面に見入っていましたし、タッチペンを使って画面に文字を書くのも楽しそうでした。

また、先生たちから特に喜ばれたのが「ミライタッチは移動できる」という点でした。学年集会など大人数が参加する授業を体育館で行なう際に、ミライタッチを移動させて利用できるんですね。たとえば、修学旅行のオリエンテーション授業で、「自由行動時間に何を観るべきなのか」を子どもたちがプレゼンする授業があったとします。ある子は二条城について調べて発表したり、ある子は清水寺のことを発表したり。従来であれば、体育館のステージ上で1人が発表して、他の子はずっと聞くみたいなスタイルだったんです。それが、ミライタッチを数台利用することで、体育館を6つ位に分けて子どもたちが聞きたい所に行って話を聞くという授業スタイルが可能になりました。各自が興味のあるプレゼン場所へ自由に行き来でき、大勢の発表を聞けるようになって授業内容に奥行きが出るようになったのです。

従来の設置型プロジェクターは移動できませんし、このような授業を行なうには、ホワイトボードに模造紙を貼って発表することでしかできませんでした。ミライタッチなら子ども達の Chromebook とも連動しているので、一人ひとりの画面も映せるし、画面上で同時編集もできる。とても便利なICT機器だと言えます。

先生が教える道具であり、子どもたちが発表する道具でもある。


今後ミライタッチを使って、どんな授業をしてもらいたいですか。

電子黒板は、先生が教えるための道具の1つであり、子どもたちが自分の考えを発表するためのアイテムの1つであると考えています。特に子どもたちには、さきほど例に出した修学旅行の授業のように、 Chromebook を使って、調べた情報や自身の考えた答えを目の前の人に伝える力を育てていきたいんです。その際に特に重要なのが、ICT機器を使うという点です。

なぜかと言うと、実際に社会へ出た際に、紙を使ってプレゼンテーションする機会はほとんどないと思います。今社会で求められているのは、説明する相手に対して、いかに短く、分かりやすく、深く説明することができるかということ。そんな力がこれからの時代には必要なのです。そんな点で考えると、ミライタッチを使うことは、子どもたちの“伝える力”を育むにはとても便利なICT機器じゃないかと考えています。先生たちには、子どもたちが自身の考えや意見を発表する機会をたくさん設けてもらい、子どもたちのことをさらに深く理解して、教育してもらいたいと考えています。

今後Googleから新しいAIソリューションがリリースされて、将来的にミライタッチにも搭載されると思います。教育現場でAI活用の機会が増えていく点について、どのようにお考えでしょうか?

生成AIサービスが普及することで、メールや文書作成、プレゼンテーション、スライドなどのテキスト作成が簡単に行える世の中になっていきますよね。福岡市教育委員会として、今後AI活用に関しては、使わせないというスタンスは全くありません。もちろん年齢制限があるので準拠した年齢で使用するという点と、保護者の許可を得て使うことは大前提の話です。

AIはある意味 “第三者みたいな存在”だと考えています。悩んだときに質問できる点や、他人の意見として自分では気づけなかったことを知れるのはとてもメリットがあります。ただ、どんなときも、しっかり自分で考えることがいちばん大事なんですよね。自分でじっくりと考えた上で、なんか足りないことがあるのではないかと思ってAIで調べる。AIの考えと自分の考えをミックスして、もっとより深い考えに辿り着くことができれば、良いことじゃないかなと考えています。

そのためには、子どもたちだけでなく、先生たちにももっとAIを使ってもらいたいし、 良い点や悪い点を理解した上で授業で利用できれば、もっと深い学びの場を提供できるかもしれません。今以上にミライタッチが進化していく近い将来に向けて、私たち教育現場も今以上にAIやDXなど最新の情報をキャッチアップし、対応できるようになっていかなければなりません。

子どもたちの反応を逃さない。プレゼン能力の向上を期待できる。

ミライタッチを使われてみて、授業の変化や子どもたちの変化はありますか?

福岡市立西都北小学校/6年生担任 林田先生、外国語専科 花田先生

林田先生:これまでのプロジェクターを使った授業であれば、スクリーンに投影したい内容を切り替える際に、手元にある自分のデバイスを操作する必要がありました。その際に子どもたちの方ではなく、自分の目線がデバイスの方に行くことで、目線が子どもたちから離れるんですね。その離れる回数が1回2回とかであれば良いのですが、子どもたちの方を見られない時間が多いのがこれまでの課題でした。私たちが見せたいものを画面に投影した瞬間の子どもたちの表情を知ることで、授業内容を理解できたのかどうかを判断できますので。その点、ミライタッチであれば、子どもたちに目線を向けながら画面をタッチをして授業を進められますので、以前の課題は解消されたと思います。プロジェクターと比べて、画面も綺麗で鮮明になりましたので、子どもたちが画面を観るために顔をあげる回数も断然増えましたし、授業に対する集中度は変わりました。

花田先生:英語の授業ではプレゼンする機会を増やしているのですが、子どもたちが自分の表現する方法が増えたと思っています。これまでは黒板に模造紙を張って発表していましたが、 Chromebook で制作したものをミライタッチに投影することで、一人ひとりが自分の考えやアイデアを図やグラフを使って自由に発表することができるようになりました。また、自分の発表内容だけではなく、クラスの他の子の発表も聞くことで、他人の考えの良さにも気づき、それを吸収することで自分の想像力や表現力もさらに広がっていくのではないでしょうか。プレゼン能力は、間違いなく伸ばしていけると考えています。