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CASE STUDY

【特別支援学校の導入事例】ミライタッチで見て触って学ぶ、新しい学習を。子どもたちの可能性を拡げる、大きなきっかけに。

東京都立鹿本学園

導入機器

MIRAI TOUCH Pシリーズ M55PE2S

MIRAI TOUCH Cシリーズ M65CE2S

お話を伺った方

知的障害教育部門 中学部 学部主任 主幹教諭  

増山陽介 様

知的障害教育部門中学部 教諭 

西端 紳一郎 様

配備されたタブレット端末や出入力支援装置などをどのように活用していけばよいのか、授業方法を模索していた。
「ミライタッチ」はホワイトボード機能だけでなく、動画を一時停止して、その画面上に文字を書くことができることが利点の一つ。タブレット端末や出入力支援装置と一緒に使用することで児童・生徒に注目してもらいたい場面を、より視覚的に示すことができるようになると考えた。
今まではTVは見るものでしかなかったが「ミライタッチ」は自分で触って、書いて、操作して学べる最高のICT機器となりつつある。例えるならば「ミライタッチ」は“大きなタブレット端末”であり、自ら授業に参加しようとする機会が増え、主体的な学びにつながった。授業によっては、タブレット端末で自分が考えた内容を画面ミラーリングで「ミライタッチ」に映し出し、発表することで、聞いていた生徒と意見交換をするなど、対話的な学びにも発展している。

東京都立鹿本学園は、肢体不自由教育部門(小学部・中学部・高等部普通科)と知的障害教育部門(小学部・中学部)の2部門5学部が併置された特別支援学校。東京23区内で初めて義務教育段階である肢体と知的の小・中学部が併置された学校でもあります。

教育目標として「児童・生徒一人一人の人権を尊重し、個々の障害の特性に応じた教育を推進するとともに、豊かな人間性や社会性をはぐくみ、自立し社会参加できる児童・生徒を育成する」を掲げています。特別支援学校として、学習の場としての機能はもとより、子どもたちが社会に出ていくための支えとなる「生きる力を身に付ける場」として専門性の高い教育を実施しています。

今回、同校に電子黒板「ミライタッチ」を導入した理由や、実際に授業で利用している先生に利用方法や効果などをお聞きしました。特別支援学校での導入事例として、参考にしていただけますと幸いです。

肢体不自由教育と知的障害教育で、ミライタッチは主体的な学びの場を作り出す。

 電子黒板「ミライタッチ」を導入したきっかけを教えてください。

知的障害教育部門 中学部 学部主任  増山 先生:

2年前、GIGAスクール構想に伴い、本校にも児童・生徒(小中学部)に一人1台、タブレット端末が配備されました。タブレット端末の他にも、視線入力装置や、わずかな動きで操作ができるスイッチなどの出入力支援装置が配備され、ICTを活用する授業や支援が一気に加速しました。

タブレット端末や、その他のICT機器を有効活用するには、どのようにしたら良いかと考えていたときに、教育ITソリューションで電子黒板「ミライタッチ」に出会いました。

「ミライタッチ」はホワイトボード機能だけでなく、動画を一時停止して、その画面上に文字を書くことができることが利点の一つです。児童・生徒に注目してもらいたい場面を、より視覚的に示すことができるようになりました。また、今まではTVとPCを接続してPCの画面を児童・生徒に示して授業をしていました。しかし、「ミライタッチ」はインターネットに直接接続ができるため、PCを準備する必要もありません。事前に資料を準備して「ミライタッチ」内にデータ保存しておくことも可能です。伝えたいこと、見てもらいたいものをすぐに映し出せることが導入を決めた最大の理由でした。

導入されて約1年が経ちますが、どのような変化がありましたか?

児童・生徒たちは、大きな期待感をもって「ミライタッチ」を活用するようになりました。今まではTVは見るものでしかありませんでしたが「ミライタッチ」は自分で触って、書いて、操作して学べる最高のICT機器となりつつあります。例えるならば「ミライタッチ」は“大きなタブレット端末”であり、自ら授業に参加しようとする機会が増え、主体的な学びにつながりました。授業によっては、タブレット端末で自分が考えた内容を画面ミラーリングで「ミライタッチ」に映し出し、発表することで、聞いていた生徒と意見交換をするなど、対話的な学びにも発展しています。

また、教員間でも様々な使用方法が共有され、使用頻度が増加傾向にあります。便利な物、素晴らしい教育実践はすぐに広まります。実践例が増えることで「これだったら私にもできるかもしれない」と思ってくれた教員も増えてきました。誰でも初めてのことには抵抗があります。始めるきっかけを設定するのが私の役割だと思っています。

ミライタッチは、子どもたちの視野と行動範囲を拡張するきっかけとなる。

重度知的障害教育にミライタッチを導入して、どのような変化がありましたか?

知的障害教育部門中学部 西端 先生:

特別支援学校の使命は「自立と社会参加」と定義づけられています。日々、学校に楽しく通えることは何よりですが、授業や学校生活を通して、将来に向けて確実な生活力を身に付けていくことが大切だと考えています。

タブレット端末が配備されたことで、大きく授業内容は変わったのですが、「ミライタッチ」を導入することで、さらに児童・生徒たちの視野は拡がりました。従来であれば対象物の動きに合わせて「目を動かす」「手を動かす」といった学習は、机の上で物理的に行うしかありませんでした。しかし、タブレット端末によって、各自の目の前にある画面で行うことができるようになり、「ミライタッチ」でその範囲がさらに大きくなりました。

タブレット端末だけだと、どうしても小さな画面の中だけの世界になってしまい、視線や手を動かすなどの範囲も狭く限られてしまいます。しかし、「ミライタッチ」であれば、55インチの大画面で、物を追う視線の範囲も広くなりますし、手を動かす範囲も拡がります。そこが大きな利点だと思います。

また、画面が大きいので、みんなで学びの場を共有できる点が良いですね。代表者1名がミライタッチの前で操作しているのを、他の児童・生徒が見ることができます。それを真似してタブレット端末で行うなど、授業の進め方も変わりました。以前であれば、一人ずつ教えていく必要がありましたが、その間、他の児童・生徒たちは待機しなければなりませんでした。

西端先生は、ミライタッチを活用するいろいろな教材を作られていますね。

「ミライタッチ上に現れた複数のボールを目で追いかけてタッチして消す教材」や「動き回る犬を目で追いかけてタッチする教材」「ピアノの鍵盤をタッチすると音が出る教材」など、見て、触って、聴いて学べるようなミニゲームを多数作りました。教員が児童・生徒たちの前で手本を示すことで、それを真似してもらい、「タッチすることで動く」とか、「音が出る」などが分かってもらえるように楽しく学べることを意識しています。これを応用し続けることで、児童・生徒たちが見て学び、触って学び、主体的な学びにつながっていければと考えています。

特別支援学校では、「生活単元学習」という教科があります。先日、学年で秋祭りを実施したのですが、私が担任するクラスでは、「輪投げ屋さん」の出店をしました。お店に来てくれた生徒たちに遊び方を伝える際にもミライタッチを使用しました。画面をタッチすれば「いらっしゃいませ」とアナウンスが流れて遊び方の説明が流れるようにプログラミングをしました。このように、生徒たちがお店の司会進行をできるようにすることで主体的な学びにつなげています。ミライタッチの応用次第で教育の可能性はもっと拡がっていくことでしょう。

特別支援学校での「電子黒板」の普及に必要なのは、成功事例の共有。

今後ミライタッチを有効活用していくには、どんなことが必要でしょうか?

知的障害教育部門 中学部 学部主任

増山 先生:

ミライタッチを活用している授業では、児童・生徒たちが主体的に参加する場面が多く見られるようになってきました。それは、授業をしている教員の努力に他なりません。児童・生徒たちが分かりやすい授業、主体的に参加できる授業を目指して私たちは授業を工夫しています。児童・生徒たちの成長を考え、教員間で意見を出し合い、有効活用できる方法を生み出していく必要があります。それが難しい点でもありますが、私たち教員にとって最大のやりがいでもあります。

重度重複学級の担任をしている西端先生が事例をたくさん示してくれているように、成功事例を積み重ねていき、それらを情報共有することで更なる活用の広がりをみせることでしょう。「GIGAスクール構想×ミライタッチ」とテーマを設定し、これからも効果的な活用を推進していきます。