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導入事例 CASE STUDY
「ミライタッチ」は、開発途上国の“教材不足”を解決する糸口になる。
JICA海外協力隊:マーシャル諸島共和国
導入機器
ミライタッチ Xシリーズ M75CE3X
お話を伺った方
JICA 青年海外協力隊 小学校教育 配属:ライロックレインボー小学校
加藤 智香子 様
JICA 青年海外協力隊 小学校教育 配属:ローラ小学校
宮崎 奈々 様
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- マーシャル諸島共和国の教育現場は、教科書やホワイトボード用のペンといった備品、実験道具など、教育に必要な備品が圧倒的に不足しているのが現状。教員や子どもたちの数に見合うだけの教科書もない環境だった。 現地の先生は授業準備に入念な時間を費やすことができず、前回の授業内容との連動性を考慮した指導案の作成や授業展開に苦慮し、子どもたちも、「先生が話したことや板書した内容を書き写す」のみが主流の学びを行なっていた。教育現場において、子どもたちの興味を惹きつける授業内容の創意工夫を行い、学びの可能性を広げていくことが難しかった。
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- 電子黒板「ミライタッチ」を小学校 2校に導入。光学3倍ズーム対応の実物投影機(本体下部の書画カメラ)が内蔵されているため、教科書や視覚教材が不足している教育現場では、大いに活躍すると考えた。ミライタッチで児童の興味を惹きつけ、視覚的アプローチで授業の理解を深めるツールとして活用いただいた。
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- 実物投影機を活用し、教科書を「ミライタッチ」に投影することで、先生の「板書に要する時間」が大幅に短縮された。これまで先生の板書中は、子どもたちにとって“待ち時間”になっていたが、それが無くなったことで授業の進め方が効率的になり授業が濃密になった。 また、理科の実験では、YouTubeを活用して映像で教育を行えるように。実験道具の不足により断念していた学習項目も、映像教材によって網羅できるようになり、教育の質の向上に繋がった。
この度さつき株式会社は、マーシャル諸島共和国の小学校 2校に、JICA(独立行政法人国際協力機構)を通して、電子黒板「ミライタッチ」を寄贈しました。
同国は、ハワイとオーストラリアの中間に位置する島国。“太平洋の真珠の首飾り”と呼ばれるほど美しい自然に恵まれる一方、島国という立地や経済状況などの影響で、教育現場では教材や備品などの物資不足が慢性化しています。また、現地教員の指導力向上も重要な課題となっています。
JICAでは、開発途上国の経済・社会の発展や異文化社会の相互理解の促進などを目的に、「自分の持っている技術・知識や経験を開発途上国の人々のために生かしたい」という強い意欲を持つ方々を派遣するボランティア事業を実施しています。今回は、JICAが教育支援を行うマーシャル諸島共和国に、青年海外協力隊として派遣された現役教員の加藤様・宮崎様より依頼を受け、この寄贈が実現しました。
数多くある電子黒板の中から、なぜ「ミライタッチ」を選んだのか。開発途上国の教育現場で、どのような効果を発揮しているのか。現地で活動するお2人のリアルな声をお届けします。

JICA 青年海外協力隊 加藤 智香子 様(写真右、黒色服)、JICA 青年海外協力隊 宮崎 奈々 様(写真左、オレンジ色服)、JICA マーシャル支所の皆様
マーシャル諸島共和国の教育問題解決に、ふさわしい電子黒板

ライロックレインボー小学校 加藤 智香子 様(写真中央)
まずは、マーシャル諸島共和国の教育現場が抱える課題を教えてください。
加藤:
マーシャル諸島共和国は、教育への関心がまだそれほど高くありません。学力が就職のしやすさに直結するわけではないという社会的背景もあり、勉強の必要性を感じていない人も多いように思います。
また、授業内容を分かりやすく伝えられるよう創意工夫しようとする意識も、まだまだ低いです。先生たちのトレーニングが十分でないこともあり、「ただ板書するだけ、問題を解かせるだけ」の授業になってしまうことも多いです。
そこで、私たち日本の教員が実際に授業を行ったり、現地の先生方の指導をサポートしたりすることで、学力や指導力の底上げを図っています。
宮崎:
物資不足も、想像以上に深刻です。私が所属する小学校では1クラスに15〜30名ほどの子どもたちがいますが、「人数分の教科書がない」ということも珍しくありません。さらに、ホワイトボード用のペンは4本で10ドル(約1500円)もする高級品です。教材や備品が簡単に手に入らない時もあり、「授業を工夫したくてもできない」と嘆く先生も多い現状でした。

ローラ小学校 宮崎 奈々 様(写真左)
電子黒板を導入するに至った経緯についてお聞かせください。
加藤:
今お話ししたような問題に悩みながら活動していた折、たまたま電子黒板の存在を知ったんです。そこで「この島の教育には電子黒板がとても有効なのでは?」と思い立ち、インターネットでさまざまな電子黒板を調べ始めたのがきっかけでした。
宮崎:
とはいえ、当国の学校では、電子黒板を導入できるほどの予算は到底確保できません。そこで、さつき株式会社さんに「現地での実証実験を行うため、ミライタッチを提供いただけないか」と、無理を承知でメールさせていただいたんです。快諾の返事が来たときは本当に驚きました。
数ある電子黒板の中から「ミライタッチ」を選んだ理由は何でしたか?
加藤:
まず「使う人を限定しない、誰でも使える電子黒板」というコンセプトに惹かれました。ミライタッチは、ITに詳しくない人や子どもたち、お年寄りまで、どんな人でも直感的に操作できるのが大きな特徴です。ホームページを見ただけでも、その使いやすさがしっかり伝わってきました。
それに加えて、英語版のモデルがあることや、実物投影機がセットになっていることも決め手でしたね。何より、さつき株式会社さんの社会貢献に対する熱心な姿勢を知り、宮崎さんと2人で「ぜひこの会社にお願いしたいね」と話したのを今でもよく覚えています。
宮崎:
マーシャル諸島共和国の人々はGoogleが提供するサービスを使っている人が多いため、Chrome OSに対応している点も大きな決め手でした。
また、子どもたち一人ひとりに教科書が行き渡っていない当国だからこそ、「クラスの全員が、しっかり見える画面サイズかどうか」という部分も大切にしていたポイントでした。
今までは諦めていた理科実験の授業も、動画活用で実施可能に

「ミライタッチ」を導入後、どのような反響・反応がありましたか?
加藤:
子どもたちがとにかく嬉しそうでした(笑)。無闇に触らせないようにするのが大変なくらい、みんな興味津々でしたね。授業で板書する人を募ったところ、全員が「はーい!!」と勢いよく手を挙げたのには思わず笑ってしまいました。
導入当初、操作に戸惑うことはありませんでしたか?
宮崎:
現地の先生方は授業で電子機器を使うこと自体が初めてだったため、最初は少し戸惑っている様子でした。ただ、授業を重ねていくうちにどんどん慣れていき、今では私すら知らない機能を使いこなしている先生もいるほどです。直感的に操作できるミライタッチだからこそ、基本操作さえ共有すれば、誰でもすぐに使いこなせると実感しています。

どのように「ミライタッチ」を利用していますか?
加藤:
ライロックレインボー小学校では6年生のクラスに固定で設置し、すべてミライタッチのみで行われています。
機能として最もよく使うのは、やはりホワイトボードです。先生が問題や解説のポイントを事前に板書して記録させておき、授業ではそこに書き込んだり、問題を追加したりしながら授業を進めています。実物投影機を使って、教科書やノートを投影することも多いですね。
宮崎:
ローラ小学校では3年生のクラスに設置していて、その教室での授業はすべて「ミライタッチ」を活用して行われています。
ミライタッチは、いわば“大きなパソコン”のようなものでもあるので、Google Chromeでの検索やYouTubeを活用した教育も定着してきました。たとえば理科の授業では、今まで実験道具がないため諦めていたカリキュラムがあったのですが、今は動画を活用することで、実験の様子をリアルに見せられるようになりました。これはとても大きな変化でしたね。
視覚的・効率的な授業が実現でき、子どもたちの集中力も高まった

JICA開発の算数アプリ「JICAL」を、ミライタッチで使用している。
「ミライタッチ」を導入して、どのような効果を感じていますか?
加藤:
以前は難しかった「視覚に訴える授業」が行えるようになり、子どもたちの集中力がかなり高まりました!
先ほど宮崎さんが話したとおり、予算や輸入の都合でホワイトボード用のペンが不足する状況が時々起こっていたんですね。板書で使用できるペンの色も限られ、「重要な箇所を赤で強調し、それ以外を黒で書く」といった、視覚的な使い分けができないこともありました。
「ミライタッチ」を導入後は、ペンの色が自由に変えられるのはもちろんのこと、イラストや写真を使うこともできるようになり、板書が劇的に見やすくなりましたね。
宮崎:
授業の効率がぐんと上がりました。教科書の数が足りない教科だと、先生が教科書の内容を板書する必要があり、その間、児童はずっと待ちぼうけ…という状態でした。しかし今は、実物投影機を使って教科書を瞬時に大画面へ投影できるため、板書の手間が省けるように。結果、授業の進行がスムーズになり、子どもたちも集中力を切らさず授業に臨めるようになりました。

「ミライタッチ」で気に入っている便利機能はありますか?
加藤:
現地の先生に聞いてみたところ、「板書した内容を、ミライタッチ本体に保存しておける機能」が大変役立っているそうです。その先生は2クラスの授業を担当しているため、1クラス目が終わった後、一部分を消すだけで次の授業でも再利用できるのが便利だと話していました。
宮崎:
私が担当している3年生のクラスでは、毎時間、算数の授業の始めに九九の復習をしているのですが、最近は動画も活用するようになりました。
メロディに合わせて九九を唱えるのが楽しいようで、今では子どもたちから「今日はこの曲がいい!」とリクエストが飛んできます。意欲的に学ぶ子どもが増えたことに、喜びを感じています。学ぶことが楽しいと思ってもらえることは、大事なことですからね。
「ミライタッチ」が教えてくれるのは、学ぶことの楽しさ

今後、「ミライタッチ」をどのように活用していきたいですか?
加藤:
現在ライロックレインボー小学校では通信環境が十分ではなく、ネット検索や動画視聴が少し難しい状況です。しかし、来年度にはインターネット環境が整備される見込みなので、今よりもっと便利に使いこなせるようになるはず!と期待しています。
「ミライタッチ」のおかげで、ただ板書したり話を聞いたりするだけの時間はかなり減りました。今後はその利点をさらに活かす使い方で、子どもたちに学ぶことの楽しさをもっと味わってほしいです。
宮崎:
ノートパソコンと連携した使い方を、もっと広げていきたいです。現状は、先生用のPCがほとんどないため、ホワイトボードやWeb検索の利用が中心ですが、来年度には配布される計画があるとのこと。そうなれば、先生たちが自分で作ったスライドを授業で使えるようになるので、工夫の幅がぐんと広がるはずです。
将来的には、教科書の中だけにとどまらず、子どもたちが身近で感じた“不思議”をみんなで共有し、一緒に調べて話し合う……。そんな一歩先の学びも、ぜひ体験させてあげたいなと思っています。ミライタッチがあるからこそ、教育の可能性がぐっと広がりました。
