企業向け電子黒板はこちら
導入事例 CASE STUDY
電子黒板があることで教室を拡張し、世界へとつなげる。これからの学びの中核に、ミライタッチを。
神奈川県鎌倉市教育委員会
導入機器
65型液晶ディスプレイ一体型電子黒板 MIRAI TOUCH M65CE2S
お話を伺った方
鎌倉市教育委員会 教育長
岩岡 寛人様
鎌倉市教育委員会 教育指導課 課長
太田 洋様
鎌倉市教育委員会 教育指導課 指導主事
上 太一 様
鎌倉市教育委員会 教育指導課 指導主事
濱地 優様
鎌倉市立腰越中学校 生徒指導担当
金子 達也様
- 教室にある従来の教育ツールだけではなく、もっと幅を広げて「社会に開かれた教育」の実現に力を入れたいと考えたため。
- 従来の黒板は書くスペースが限られていたため、教科書や教材から内容を逸らさずに進める必要があった。しかしミライタッチなら、前回の板書内容を振り返ったり、児童生徒の意見を板書に取り入れたりすることも可能。黒板でできることが格段に増えた。
- ミライタッチの機能をフル活用した授業が行われるように。子どもたちが自発的に学びたい、考えたい、作ってみたいと思えるような環境をつくることができた。
この度、鎌倉市教育委員会の皆さまに、ミライタッチ導入のインタビューを行いました。
「教育ネット」と呼ばれるプライベートクラウドの構築や、市内各校のICT教育推進担当者の活動など、ICT教育に関する様々な取り組みを行っている神奈川県鎌倉市。全国の中でも特に先進的な自治体として注目を集めています。2021年春、そんな同市が新たに小中学校全25校へ導入したのが、インクルーシブ電子黒板「ミライタッチ」です。
同市が「ミライタッチ」の導入を決めた理由や魅力、具体的な活用方法について、お話を伺っています。
「社会に開かれた教育」のために、始めやすい電子黒板。
なぜ「ミライタッチ」を導入しようと考えたのですか?
鎌倉市教育委員会 岩岡寛人 教育長:
教室にある従来の教育ツールだけではなく、もっと幅を広げて「社会に開かれた教育」の実現に力を入れたい。そう考えたのが、「ミライタッチ」導入のきっかけでした。今や当たり前になった、1人1台の端末を持つ学習スタイル。子どもたち自身が主体的に学んでいける画期的な環境ですが、その反面、端末だけでは個人的な学習に留まってしまう傾向もあります。さらに豊かな学びを授けるには、自分だけの世界に閉じこもらず、勉強の成果を他の児童生徒と共有し、それについて意見交換して、より考えを深めていく…という、“協働的”な学びに繋げていくことが大切。そのために活用できる最適なツールだと感じたのが、電子黒板です最初は「児童生徒の端末画面を映す機能があれば十分」と思っていたのですが、色々な方の話を聞く中で、その機能だけでいいのかと疑問が浮かぶように。そのため「ミライタッチ」に出会った時は、良い意味で裏切られたと感じました。単なる大きな画面ではなく、電子黒板自体にOSが入っていて、Zoomなどで外の世界とも繋がれる。これは絶対に良いと考え、2021年春、小学校16校と中学校9校の全25校に電子黒板「ミライタッチ」を466台導入しました。
実際に操作してみた感想はいかがでしたか?
鎌倉市教育委員会 教育指導課 濱地 優 指導主事:
はじめて実機に触れた時、見やすさや操作性が従来の黒板と似ていることに気づきました。特に驚いたのが書き心地。チョークを使う時の、少し摩擦抵抗があるザラザラした感覚に、意図的に近づけられているのです。また専用ペンが不要で指先ひとつで操作できる点も好印象でした。
教育指導課 上 太一 指導主事:
正直、学校現場では電子黒板を使うことに消極的な声も挙がっていました。というのも、鎌倉市はGIGAスクール構想に伴って1万2000台のiPadを一斉に導入し、急スピードでICT教育を進めてきた市。長年アナログで授業を進めてきた先生方なら、いきなりの端末操作に困惑してしまうのも無理はありません。そのため、電子黒板の導入でさらに変化を強いられるのでは…と抵抗される方もいらっしゃったのです。しかし、実際に現場に「ミライタッチ」を持って行ったところ、触った瞬間に「いつもの黒板だ」とガラっと表情が変わって。あの時の反応は、今でも忘れられません。結果的に、「ミライタッチ」が端末を活用するための助走となってくれたような気がします。
教育指導課 太田 洋 課長:
データ保存ができるのも、「ミライタッチ」の大きな魅力ですね。従来の黒板は書くスペースが限られていたため、教科書や教材からほとんど内容を逸らさずに進める必要がありました。しかし電子黒板なら、前回の板書内容を振り返ったり、児童生徒の意見を板書に取り入れたりすることも可能。黒板でできることが格段に増えました。これは子どもたちからすると、自分が参加している授業の中で教材が出来上がっていく喜びを感じるようです。まさに主体性に繋がるツールだと感じます。
「ミライタッチ」で進行するスムーズな授業。オンラインで動画もすぐに見せられる手軽さと機能が魅力。
電子黒板によって、授業はどのように変わりましたか。
鎌倉市立腰越中学校 生徒指導担当 金子達也様:
腰越中学校では、2021年4月に全校生徒120名へiPadを配布、同時に各教室へ16台の「ミライタッチ」を導入しました。一番の変化は授業のスムーズさでしょうか。例えば地理の授業でグループ発表をするとなった時、事前準備ではGoogleのアプリケーションを駆使しながら自分の調べたデータをメンバーへ共有したり、集まったデータを入れ替えたりして素材を精査します。こういった作業も時間をかけずにできるので、効率的に学びを深められていると感じますね。また社会の授業では、電子黒板に表示したスライドをワンタッチで切り替えながら児童生徒に解説。とてもなめらかに操作できるので、授業も進めやすいです。あとはブラウザ機能もすごく便利ですね。見せたい画像や動画は検索すればすぐに表示できます。あとは自分のiPadをHDMIで繋いで大画面で教材を表示したり、ホワイトボード機能で書き込みしたり…といった操作も、スムーズな授業に大いに貢献してくれています。
「ミライタッチ」の活用方法を教えてください。
教室には従来の黒板も電子黒板もあり、両方活用しています。従来の黒板には1時間を通して消さない内容を板書、「ミライタッチ」には授業の流れに合わせて内容が動くものを表示する、といった形です。それぞれの特性を活かしながら、効果的に使い分けていますね。宿題などの提出物も、すべてデジタルに移行しました。Googleなどのアプリケーションを使えば回答の集計が手間なくできるため、即座に正答率や平均点を出して「ミライタッチ」に提示することもあります。テストの答えもまとめて共有できるので、今までのように「1番の正解は1。次は…」と順番に口頭で説明して授業の半分が潰れてしまう、なんてことが無くなりました。その分、余った時間に間違えやすい部分や引っかかった部分を「ミライタッチ」に映し、詳しく解説するようにしています。グループワークでも、その場で出た児童生徒たちの意見の集約や確認がとても簡単にできるようになりました。その様子を「ミライタッチ」に映して「この班のこの意見に注目して」と差し示せば、児童生徒も手元のiPadを操作してサッと確認できます。このような“指示書”としての使い方も、時短にも繋がっていますね。「ミライタッチ」は機能が充実している反面、使い方はいたってシンプル。あとは教師側がどれくらいその引き出しを使いこなせるか、です。今後は、より正しい使い方を学校・生徒・保護者も巻き込んで考えていきたいです。
世界と子どもたちをつなげる、橋渡しに。
普段の授業以外に、「ミライタッチ」が役立つ場面はありますか。
鎌倉市教育委員会 岩岡寛人 教育長:
まだ導入1年目ですが、実は「ミライタッチ」を活かした教育活動がかなり生まれています。たとえば、核兵器の問題を取り上げた小学校の授業。長崎大学の准教授の先生方と「ミライタッチ」を使ってオンラインで繋ぎ、場所の制約をこえて話をお聞きしました。また調べ学習の一環として取り組んだ地域学習では、修学旅行先がお互いの地域だと判明した姉妹都市の栃木県足利市の子どもたちと、それぞれの地域の魅力を伝え合うプレゼン大会を開催したことも。「ミライタッチ」によって、教室を飛び出して有識者や他校の児童生徒と繋がれるようになりました。ICTを進行させる目的は、子どもたちの主体性を養うこと。もちろん何かをアウトプットすることを重視しますが、動画、音楽、3Dプリンターなど、主体性の発揮の仕方は色々あっていい。どんな子どもも自発的に学びたい、考えたい、作ってみたいと思えるような環境を作っていきたいですね。ただ、学ぶことを自分一人で完結してしまってはもったいない。クラスのみんなに提示する、説明する、共感を得る、意見をもらう。場合によっては対外的な発表やフィードバックの機会を作ることも大切でしょう。30数名いる教室では、やはり電子黒板「ミライタッチ」がその中核になっていくのではないかと思います。