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CASE STUDY

ミライタッチを導入したら、「聴覚」ではなく「視覚」中心の授業へと変化し、子どもたちの主体的な学びが促進された。

尼崎市教育委員会/尼崎市立下坂部小学校

導入機器

65インチ液晶ディスプレイ一体型 電子黒板 M65CE2X Xシリーズ(ChromeOS Flex 搭載モデル)  ※今回取材した下坂部小学校は、21台を導入(2024年6月現在)

お話を伺った方

尼崎市教育委員会 教育総合センター 学校ICT推進課

中村 大輔 指導主事

尼崎市立下坂部小学校

西川 達也 教頭

尼崎市立下坂部小学校

岡田 哲範 教諭

以前は50型のテレビをChromebookの大型提示装置として利用していた。Chromebookの画面をテレビで投影し授業をしていたが、50型のテレビだと画面が小さく、教室の後ろ方の席にいる子どもたちにはとても見えづらかった。ただ画面を表示するだけの装置になってしまっていた。
教室のどこからでも画面を鮮明に見ることができ、子どもたちと先生のChromebookの画面を瞬時に投影させられるミライタッチを導入。ミライタッチにはChromeOS Flexが搭載されており、パソコンが手元に無くても、ミライタッチ上でアカウントにログインするだけで先生たちのChromebookと同様に利用できるので、とても便利だと好評。「パソコンを持ち運びしなくて良くなった」「授業の準備の手間が減った」という先生たちの反響が大きかった。
導入前の授業は、どちらかというと「先生が喋っていることを必死に聞いて、理解する」という“聴覚”に訴える授業だった。先生たちはチョークで黒板に板書するけど、黒板に書くことよりも喋ることの方が圧倒的に多く、子どもたちは先生が喋っていることを聞いてメモすることに必死だった。 今は「個別最適な学びや協働的な学び」が求められており、授業の主体者は“子どもたち”であり、一人ひとりが主体的に学び、考え、成長していくことが大事。先生たちは、あくまでも授業を進行するファシリテーター的な役目でしかない。そんな授業において、視覚でたくさんのことを訴えられるミライタッチは効果大。ミライタッチの導入後は、子どもたちが主体的な意見を発する場面が非常に多くなった。

GIGAスクール構想によって、日本全国の小中学校で1人1台の情報端末(iPadや Chromebookなど)が配備されて、数年が経ちました。個別最適化された学びや協働的な学びを実現させるための変革が求められています。

今回ご紹介したいのは、兵庫県の尼崎市教育委員会です。学校のICT環境の整備に力を入れており、子どもたちがこれからの時代を生き抜くために、未来を見据えた教育に取り組んでおられます。2023年の夏からは、尼崎市内の全小学校(42校)に約1,000台の電子黒板『ミライタッチ(ChromeOS Flex 搭載モデル)』を導入し、子どもたちの学びの形のアップデートを実現させています。

今回の記事では、尼崎市教育委員会 教育総合センター 学校ICT推進課で指導主事を務める中村様と、尼崎市立下坂部小学校の西川 教頭と岡田 教諭にお話を伺いました。ミライタッチ導入の背景や導入後の変化、授業における従来の黒板との併用方法などを語っていただきました。

「以前よりもストレスフリーになった」という先生の声が多数。

尼崎市教育委員会 教育総合センター 学校ICT推進課

中村 大輔 指導主事

尼崎市教育委員会で、全小学校にミライタッチを導入した背景を教えてください。

2023年7月から電子黒板『ミライタッチ』を導入し始めたのですが、以前は50型のテレビをChromebookの大型提示装置として利用していました。Chromebookの画面をテレビで投影し授業をしていたのですが、やっぱり50型のテレビだと画面が小さく、教室の後ろ方の席にいる子どもたちにはとても見えづらく、ただ画面を表示するだけの装置になってしまっていました。教育委員会が目指している「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」と「情報活用能力を高めるための授業」には程遠かったんですね。そんな理由から、教室のどこからでも画面を鮮明に見ることができ、子どもたちと先生のChromebookの画面を瞬時に投影させられるミライタッチを導入しました。

●実際の授業風景。遠くからでも鮮明で見やすい

導入されてから、学校の先生からはどんな声をいただいていますか?

尼崎市内の全小学校の先生たちにアンケートを取ったのですが、反響は非常に大きかったです。特に多かったのは、「パソコンを持ち運びしなくて良くなった」「授業の準備の手間が減った」という声が多かったですね。

導入したミライタッチにはChromeOS Flexが搭載されており、先生たちのChromebookと連携されています。パソコンが手元に無くても、ミライタッチ上でアカウントにログインするだけでChromebookと同様に利用できるので、とても便利だと好評です。これまで授業ではChromebookを使っていましたし、そのままの使い勝手で利用できる点は「電子黒板を導入したからといって、新しく何かを覚える必要がない」というメリットになります。ICT機器が苦手な先生もいると思うのですが、今までの延長線上で利用できるので、比較的スムーズに授業に導入できたのではないかと思います。

また以前であれば、大型提示装置であるテレビとパソコン端末を有線で繋いだり、書画カメラをセッティングしたりと接続に時間がかかり、準備が大変で授業が中断することも多かったんですね。しかし、ミライタッチであれば無線で瞬時につなぐことができ、書画カメラも内蔵されているため、「ストレスフリーになった」という先生の声も多かったです。

●ミライタッチにログインすれば、個人フォルダにアクセス可能

全小学校に約1,000台も導入されていると、機器の管理は大変ではないでしょうか?

尼崎市内の全小学校(42校)に導入していますので、各校からの問い合わせが多数発生するのではないかと不安な点は正直あったのですが、杞憂に終わりました。管理自体は想定していたよりも全く負担ではありません。教育委員会で導入しているMDM(Mobile Device Manegement /モバイルデバイス管理)上で全て管理できるため、不具合があってもリモートで問題点を確認でき対応できることが増えました。機器端末の管理という点では、従来の大型テレビの時よりも断然楽になっています。

先生が喋っていることを「聞く」授業から、「視る」授業への変化。

尼崎市立下坂部小学校

西川 達也  教頭

ミライタッチが学校に導入されて、授業はどんなふうに変化しましたか?

昨年本校に導入された当時、私は担任としてクラスを持ち授業をしていましたのでミライタッチを利用していました。「とても便利だな」というのが正直な感想です。

さきほど教育委員会の中村さんも話されていたように、ミライタッチ1台で全てが完結してしまうんですよね。授業中に「今、子どもたちに教科書のこの写真を見せたい」と思えば、ミライタッチに内蔵された書画カメラを使って写真を瞬時に投影し、見せたい箇所をトリミング・拡大して見せることができます。「今、この瞬間」というタイミングでリアルタイムに見せることができるため、子どもたちも「なるほど!」と理解が深まります。そんな子どもたちの反応をリアルタイムで感じながら、授業が進められるのは良い点ですね。

以前であれば、見せたい画像を大きくカラープリントして事前に準備しておく必要がありましたし、「この写真を見せるために準備しておけばよかった」と授業中に後悔することもあったのですが、それがミライタッチを導入してからは全くなくなりました。

●ミライタッチの下部に「書画カメラ」があり、画面に投影して拡大することが可能

その他、ミライタッチを導入しての変化はどんなことでしょうか?

もう1点、ミライタッチを導入しての大きな変化は、以前の授業内容を保存できるので、学びの振り返りがしやすくなったことですね。学習というのは毎日の積み重ねですので、「今日の学びは、前回に習ったことの応用ですよ」と、過去の授業内容をミライタッチで提示して、子どもたちの思考の助けになるヒントを出せるのは、授業の大きな変革になりました。

以前であれば、先生たちが事前に模造紙に書いて準備をする必要があり、それを毎回黒板に貼り出すというカタチでしたから。それが今ではミライタッチですぐに「過去の学び」に戻れますので、子どもたちの“視覚”に訴求できる授業ができるようになったと言えます。

●過去の授業内容を保存できるので、いつでも振り返ることが可能

電子黒板が導入される前の授業というのは、どちらかというと「先生が喋っていることを必死に聞いて、理解する」という“聴覚”に訴える授業だったと思います。先生たちはチョークで黒板に板書するけど、基本的には黒板に書くことよりも喋ることの方が圧倒的に多かった。子どもたちは先生が喋っていることを聞いてメモすることに必死でした。授業の主体者は、先生たちだったんですね。

今は「個別最適な学びや協働的な学び」が求められていますので、授業の主体者は“子どもたち”でなければいけません。子どもたち一人ひとりが主体的に学び、考え、成長していくことが求められている。先生たちは、あくまでも授業を進行するファシリテーター的な役目なのです。そんな授業においては、視覚でたくさんのことを訴えられるミライタッチは間違いなく欠かせません。実際に本校では、ミライタッチを導入してから、子どもたちが主体的な意見を発する場面が非常に多くなったと思います。

 

「授業の準備を楽にしたい」というのが、利用のきっかけでした。

尼崎市立下坂部小学校

岡田 哲範 教諭

実際に授業でミライタッチをどのように使用していますか?

さきほど西川教頭から「ミライタッチを導入することで、“聴覚”中心だった授業から子どもたちの“視覚”に訴求できる授業ができるようになった」という話があったのですが、まさにその通りですね。ミライタッチの大きな利点は、前回の授業内容を保存できて、いつでも振り返られるという点にあると考えます。

私の授業では、ミライタッチと黒板の両方を活用しています。ミライタッチで過去の授業の学びを映しつつ、黒板で新しいことを学んでいくというスタイルをとっているのですが、特に算数の授業でミライタッチが大きな成果を発揮しています。

算数は過去の学びを応用して学んでいく科目になります。たとえば、小数のかけ算(小数×小数)を学ぶ場合、「整数×整数」の計算が大前提にあり、次に「整数×小数」を理解してから、「小数×小数」を学ぶ必要があるのですね。前回の授業で学んだ「整数×小数」の公式をミライタッチで表示して振り返りをしつつ、黒板で「小数×小数」を学んでいくという方法をとることで、「小数×小数」の計算がわからない子も、「整数×小数」という前回の学びをヒントにしながら考えることができる。これが深い学びになっていくと考えます。

ミライタッチと黒板を両用される授業は、どんなきっかけで始めたのですか?

正直にお話しをすると、「授業の準備を楽にしたい」というのがきっかけでした。授業準備で教科書を拡大印刷したり、模造紙に大きく書いたりという準備が結構大変でして…。これまで手作業してきたことが、ミライタッチですべて簡単に実現できると知り、使わないという選択は考えられなかったです。

本当は、すべての授業内容をミライタッチだけで完結できることは分かっています。しかし、黒板にチョークで書くことを突然やめてミライタッチだけになってしまったら、子どもたちも驚くと思いますし、実際に「もう黒板は使わないの?」という声もあったんですね。だから今は、教科書や過去のおさらいの内容はミライタッチで映して、計算や子どもたちの意見は“横幅が広くて大きい”黒板に集約させるという、ハイブリッドな方法で利用しています。徐々にミライタッチだけに移行していければと思っていますが、現在はまだ模索している最中です。

ミライタッチを授業で利用してから、子どもたちの変化はいかがでしょうか?

“視覚”に訴求できる授業が可能になったことで、子どもたちが前を向いて画面を見てくれる機会が圧倒的に増えたと思います。ミライタッチの画面が綺麗だということもありますが、いろんな「色」を使えることも大きなメリットかと思います。従来の黒板の深緑色だけではなく、画面を白や黒、水色などに変更できますし、ペンの色も種類が豊富にありますので、子どもたちの注目を集めることはとても簡単です。単純なことかもしれませんが、ピンク色で文字を書いたりすると、とても注目を集めることができるんですよね。子どもたちの感性に訴えると言いますか、そんな視覚的な効果もミライタッチにはあります。

ミライタッチには様々な機能があり、使いこなせば使いこなすほど、子どもたちにとっても先生たちにとっても、大きなメリットがあります。最初は抵抗があるかもしれませんが、まずはストップウォッチやタイマーなどの機能から使い始めてみるのも良いんじゃないでしょうか。私のようにすぐに慣れていくと思いますし、その便利さにきっと気づくはずです。