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導入事例 CASE STUDY
ICT教育環境の課題を解決し、授業がスムーズかつ立体的に。リーディングDXスクール認定校に「ミライタッチ」を導入後の変化

松江市教育委員会/松江市立義務教育学校 玉湯学園
導入機器
「ミライタッチ + 日本HP 特別パッケージ」
●ミライタッチChromeOS Flex 搭載モデル ●インジェクションプリンター HP Smart Tank 7305 USBビデオバー ●Poly Studio USB バー
お話を伺った方
松江市教育委員会 学校教育課ICT教育推進係 教育指導講師
若槻 徹 様
松江市立義務教育学校玉湯学園 3年担任
石飛 彰太 様
松江市立義務教育学校玉湯学園 2年担任
板垣 恵美 様
松江市立義務教育学校玉湯学園 教務主任
瀬崎 邦博 様
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- 島根県は、豊かな自然と古い町並みを活かした美しい都市づくりに定評がある一方、デジタル機器やITテクノロジーを活用したICT教育環境の構築・整備がうまく進んでおらず、早期の解決が望まれている。
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- さつき株式会社と株式会社日本HPの協力のもと、電子黒板「ミライタッチChromeOS Flex 搭載モデル」、電子黒板にセットできるプリンター「HP Smart Tank 7305」、リモート授業などで役立つUSBビデオバー「HP Poly Studio USB ビデオバー(以降、Poly Studio)」を一部教室に導入。どのような変化があるか実証実験を行った。
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- 「ミライタッチ」の導入により、以前よりも授業がスムーズに進むようになった。また「HP Smart Tank 7305」でプレゼン資料を印刷したり、「Poly Studio」で授業の様子を録画したりすることで、生徒の関心度を高める立体的な授業が行えるようになった。 さらに、「Poly Studio」を使って教員の会議をオンライン化。島根県は東西が非常に離れているため教員間のコミュニケーションが取りづらいという難点があったが、大幅に改善された。
子どもたち一人ひとりの資質・能力を確実に育成できる教育ICT環境の実現に向けて、文科省が掲げているGIGAスクール構想。しかし現状は、地域間での取り組み状況にばらつきが出ており、格差の是正が目下の課題となっています。
その中で注目を集めているのが、島根県にある松江市立義務教育学校 玉湯学園(以下、玉湯学園)。島根県がICT環境整備の進捗にやや遅れをとっている現状を打開するべく、県のICT教育をけん引する「リーディングDXスクール」に認定された学校です。
さつき株式会社と株式会社日本HPは、玉湯学園に「ミライタッチ」や周辺機器を提供する実証実験を行っています。今回はその中間報告として、最先端のICTデバイスがどのように活用されているのか、松江市教育委員会の若槻氏や玉湯学園の皆様にお話を伺いました。
リーディングDXスクール認定校に「ミライタッチ」を導入
松江市立義務教育学校玉湯学園 教務主任 瀬崎 邦博 様
まずは、玉湯学園について簡単に教えてください。
瀬崎:
玉湯学園は、令和3年に玉湯中学校、玉湯小学校、大谷小学校が統合され、新設校として開校した学校です。小学生と中学生が同じ校舎で9年間の義務教育を受け、修業年限を過ごします。そのため、本校には1〜9年生の生徒が在籍しています。
本校はリーディングDXスクール事業の指定校に認定されており、GIGA端末の用意や、汎用的なソフトウェアとクラウド環境の活用、効果的なICT教育の実践を実現している学校として、地域のICT教育をけん引する役目を担っています。そして今回の実証実験に伴い、電子黒板「ミライタッチ」、ビデオバー、プリンターも授業の中で活用させていただいています。
松江市教育委員会 学校教育課ICT教育推進係 教育指導講師 若槻 徹 様
リーディングDXスクール事業の指定校として行っている活動などはありますか?
若槻:
地域の他校の先生方に向けて、定期的に公開授業を行っています。先日は「お掃除ロボットを動かそう!」という、ロボットにプログラムを与えて意図どおりに動かす授業が公開されました。これは8年生と3年生の合同授業で、上級生が下級生にプログラムの方法を教える「メンター制度」のようなスタイル。進行の際には「ミライタッチ」が活用され、時間が経つごとに各班にチームワークが生まれていました。
ミライタッチをGIGA端末や紙資料と併用することで、授業の立体感が向上
松江市立義務教育学校玉湯学園 2年担任 板垣 恵美 様
「ミライタッチ」や周辺機器をどのように活用していますか?
板垣:
授業の内容を分かりやすく伝えるためのツールとして活用しています。大切なのは、「ミライタッチ」、黒板、GIGA端末といった表示ツールの使い分け。以前の公開授業では、FigJam(文字を書いたり、資料や付箋を貼ったりできるオンラインホワイトボード)にあらかじめ教材を準備しておき、それを表示した「ミライタッチ」を使って主な進行を行いました。その上で、黒板には授業全体の流れを書き出し、課題はGIGA端末上で解決するというやり方を採用しましたね。
石飛:
私は「ミライタッチ」に加えて、「HP Smart Tank 7305」で印刷したプリントも授業で活用しています。たとえば「玉湯のすてきなところを見つけよう!」という内容のプレゼン資料を作る公開授業を行った際は、実物のイメージが湧きやすいよう最終成果物を紙に出力しました。ミライタッチやGIGA端末と紙を併用することで、より視覚や触覚を刺激する授業を展開できるようになった実感があります。
松江市立義務教育学校玉湯学園 3年担任 石飛 彰太 様
周辺機器も存分に活用しているのですね。「Poly Studio」はいかがでしょうか?
板垣:
一般的に「Poly Studio」は遠隔授業で使われるものだと思いますが、私のクラスでは授業の撮影に活用しています。
私は国語の授業で生徒たちに朗読を披露してもらうのですが、その発表の様子をビデオ撮影し、すぐ確認してフィードバックをするんです。そこから生徒たちによる積極的な話し合いが生まれることも多く、有意義な使い方ができているなと感じます。
以前は撮影にタブレットを使っていたのですが、音声がよく拾えない上、画角の調整にも時間を要していました。「Poly Studio」は、教室の後ろに設置してUSBケーブルで接続するだけで非常に綺麗に録画でき、音声もかなりクリアに聞こえるんです。
授業だけでなく、教員間の交流にも役立つ「Poly Studio」
「ミライタッチ」を導入してみての感想を聞かせてください。
板垣:
どの教科においても、ミライタッチがあるおかげで授業の内容を分かりやすく伝えることができ、授業の進行がスムーズになりました。最初は戸惑うこともありましたが、今ではすっかり使いこなしています。ChromeOS搭載の「ミライタッチ」を利用させてもらっているためGoogleとの親和性も高く、非常にスムーズに使えるところが気に入っています。
石飛:
「ミライタッチ」はクラウド活用ができるので非常に便利ですね。授業にわざわざ重たい資料や端末を持って行かなくても、教室にある「ミライタッチ」に自分のIDとパスワードさえ入力すれば、見せたい資料を簡単に表示させることができます。板垣先生と同様、授業が非常にスムーズになったと思います。
瀬崎:
ちなみに、「ミライタッチ」や「Poly Studio」は教室だけでなく会議室にも設置していて、教員間でのWeb会議で使用しています。島根は東西に長い県であるため、他校の教員同士が集まる機会を設けるのはなかなか難しいものでした。しかしWeb会議が浸透したことで、その問題はずいぶんと改善されました。大画面で会話できるため、同じ島根県で教鞭をとる仲間たちとのコミュニケーションに臨場感・一体感が出て欠かせないツールだと思います。
子どもたちとも一緒に考えたい、最先端ICT機器の活用方法
最後に、実証実験で得た学びや感想を教えてください。
瀬崎:
今回の実証実験は2年生・3年生という低学年のクラスで行いました。当初、実験するなら高学年がいいのでは?と思っていましたが、中学校の授業になると科目ごとに担当の先生がいますし、教室の移動も多くなります。低学年なら教室も先生もあまり変動しないため、実証実験には向いていると感じました。先生たちはすでに手足のようにICTデバイスを使いこなし始めているので、実証実験ができて本当によかったなと思います。
若槻:
生徒が最先端のデバイスに触れ合っているのを見て、子どもたちにとっては「教室の中に様々なものがある」というだけで、教室がとても魅力的な空間になるんだという発見がありました。
まだ実証実験をスタートして日が浅いため、生徒たちは驚きばかりだと思いますが、そのうち「カメラを使って録画したい」「自分たちの成果物を印刷させてほしい」など、生徒のほうから積極的にデジタルデバイスを使おうとすることも増えるはずです。ICT機器の使い方に関しては先生たちだけでなく、子どものアイデアにも耳を傾けてあげたいですね。